株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西啓介、本社:東京都港区)は、2019年7月24日、7月26日に東京都内で実施された交通システムマネジメント(以下、TSM)による交通影響分析結果を発表いたします。
今回のTSMでは、首都高の各料金所におけるレーン規制や主要な入口の終日閉鎖あるいは交通状況に応じた閉鎖に加え、環状七号線(以下、環七通り)の各交差点における都心方面のへの青信号表示時間短縮が行われました。
本分析では、首都圏で実施された規制について、道路交通にどのような影響があったのか、当社の道路プロファイラーを用いて分析をしました。なお、本分析ではナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ(カーナビタイム、ドライブサポーター、トラックカーナビ
他)から取得した自動車の走行実績データを活用しています。
分析内容について
交通量の多い月末金曜の7月26日の規制による影響について、最も変化のあった首都高3号線および国道246号に着目し、それぞれを利用した場合の所要時間・走行速度等について分析しました。
【分析結果】
●首都高3号線の混雑が緩和、並行する国道246号が混雑
首都高3号線および国道246号の三軒茶屋~池尻付近間の走行速度および所要時間を可視化しました。(図1、2)まず、首都高3号線の交通状況を見ると、調査対象日の前週(7月19日)の朝(07:00)~夕方(16:00)頃の走行速度が20km/h~40km/hであるのに対して、7月26日の同時間帯の走行速度が60km/h~70km/hを維持していることがわかります。また同時間帯の所要時間についても、7月19日はばらつきがあるのに対して、7月26日は約1分前後で維持していることがわかります。
図1:首都高3号線 三軒茶屋付近~池尻付近間の走行速度・所要時間
一方、並行する国道246号交通状況を見ると、調査対象日の前週(7月19日)の朝(07:00)~夕方(16:00)頃の走行速度が20km/h前後であるのに対して、7月26日の同時間帯の走行速度が10km/h前後と、約10km/h低下していることがわかります。また同時間帯の所要時間についても、7月19日はおおよそ5~10分ほどで通過しているのに対して、7月26日は最大で約20分を要していることがわかります。
以上の結果から、今回の首都圏での規制により、首都高3号線 都心方面の混雑が緩和され、一方で、並行する一般道では混雑が発生していたことが推察されます。
●規制時、国道246号上馬交差点における直進方面の交通割合が減少、
環七通り方面への交通割合が増加
図5:位置図
ナビタイムジャパンでは今後も、開通直後の道路情報や時々刻々の道路状況に応じた適切な情報の提供、ビッグデータによる検証などを通じ、国内の混雑緩和に貢献していきます。
※交通システムマネジメント(TSM)について
https://tokyo2020.org/jp/games/transportation/management-test/
●携帯カーナビプローブデータについて
携帯カーナビプローブデータとは、ナビタイムジャパンが提供するカーナビゲーションアプリ『カーナビタイム』、『ドライブサポーター』などにおいて、同意を得たユーザーを対象に、GPSにより1~6秒間隔で取得された車両ごとの走行実績データです。ユーザーを匿名化した上で、取得したプローブデータを交通量・交通流分析/所要時間・速度分析/走行挙動分析などに利用することが可能です。
・主な特長
-分析用途に応じて提供フォーマットの調整ができる
-走行実績を把握できる
-様々な車種のデータを取得できる
●「道路プロファイラー」について
道路プロファイラーとは、ウェブ上で簡単に道路交通に関する各種分析ができるシステムです。分析対象の道路や期間を自由に選択することができ、今回のような影響分析を行うことも可能です。
(HP:https://consulting.navitime.biz/roadprofiler/index.html)
●「交通コンサルティング事業」について
ナビタイムジャパンの交通コンサルティング事業では、道路交通や公共交通、国内観光や訪日外国人について、移動に関する各種ビッグデータを活用した分析をしています。