分析内容
国道357号と市道東扇島1号線が交差する東扇島第二交差点と東扇島中央交差点では、西行き(横浜方面)・東行き(羽田方面)ともに、直進車両と右折車両が多く、両交差点を先頭とした速度低下が発生し、終日混雑しています。
本改良工事は、2021年8月10日(火)および9月2日(木)に完成し、首都高速側に道路を拡幅したことで、交差点へ流入する車線が増設されています。工事により、主に国道357号側および市道東扇島1号線の直進・右折車がスムーズに走行できるようになり、混雑緩和や事故削減が期待されています※1。
本分析では、ナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ(『カーナビタイム』、『トラックカーナビ』他)から取得した走行実績データを活用し、上記の交差点を対象に、改良前および改良後の各交差点通過にかかる右左折直進方向別平均所要時間を比較することで、改良の効果を検証しています。
※1 参考: 国道357号東扇島地区改良工事(国土交通省 関東地方整備局 川崎国道事務所)
分析結果
東扇島中央交差点および東扇島第二交差点について、改良工事前と改良工事後における「右左折直進方向別平均通過時間の変化」を分析しました。なお、本分析では改良工事前後について、それぞれ下表の期間におけるデータを対象に分析しています。
① 東扇島中央交差点における改良工事前後の変化
8月10日(火)に完了した国道357側の改良工事前後における「右左折直進方向別平均通過時間の変化」(図2)を見ると、全方向ともに通過時間が短縮されています。特に、直進は通過時間が189秒から104秒、左折は207秒から124秒と、両方向とも80秒以上短縮していることがわかります。
また、9月2日(木)に完了した市道東扇島1号線側の改良工事前後における「右左折直進方向別平均通過時間の変化」(図3)を見ると、国道357号方面の右折は変化がありませんが、川崎港東扇島埠頭方面の直進通過時間が125秒から97秒と、28秒短縮していることがわかります。
以上のことから、東扇島中央交差点における改良工事により、特に国道357号側の直進と左折、および市道東扇島1号線の直進における混雑が大幅に改善されたことが推察されます。
② 東扇島第二交差点における改良工事前後の変化
9月2日(木)に完成した国道357側の改良工事前後における「右左折直進方向別平均通過時間の変化」(図4)を見ると、全方向ともに通過時間が短縮されています。特に、直進は通過時間が126秒から90秒と36秒短縮していることがわかります。
以上のことから、東扇島第二交差点における改良工事により、特に国道357号の直進における混雑が改善されたことが推察されます。
●自動車の走行実績データについて
ナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ『カーナビタイム』、『NAVITIMEドライブサポーター』、『トラックカーナビ』等において、同意を得たユーザーを対象に、GPSにより1~6秒間隔で取得された自動車ごとの走行実績データです。ユーザーを匿名化した上で、取得したプローブデータを交通量・交通流分析/所要時間・速度分析/走行挙動分析などに利用することが可能です。
●『道路プロファイラー』について
道路プロファイラーとは、Web上で簡単に道路交通に関する各種分析ができるシステムです。分析対象の道路や期間を自由に選択することができ、今回のような開通速報分析を行うことも可能です。
https://consulting.navitime.biz/roadprofiler/index.html
主な特徴
・分析用途に応じて提供フォーマットの調整ができる
・走行実績を把握できる
・様々な車種のデータを取得できる
参考:プレスリリース
国道357号川崎市東扇島地区交差点改良に伴う交通効果分析を発表
https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202111/18_5412.html
ナビタイムのサービスから取得したビッグデータを活用することで、世の中の最新の動向を分析・把握することができます。
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